環境用語と法律
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環境用語
水質や環境に関わる代表的な法律を、工場や事業場排水の視点で紹介します。
環境基本法 水質汚濁防止法 下水道法
化学物質審査規制法 化学物質排出把握管理促進法
化学物質審査規制法

1960年代頃から問題となったPCBのように、製品などに使用された化学物質が通常の使用で環境を汚染し、人の健康を「じわじわ」と蝕んでいくという事態は、従来の化学物質対策の盲点を突くものでした。 このような状況の下、化学物質審査規制法は昭和48年(1973年)に制定されました。

化学物質審査規制法の目的(第1章より)

化学物質審査規制法の内容

化審法は大きく分けて以下の2つの部分からなっています。

 

①新規化学物質に関する審査及び規制(新規化学物質の事前審査制度)

②化学物質の性状などに応じた規制

第一種特定化学物質
(PCBなど16物質)
難分解性、高蓄積性及び長期毒性又は高次捕食動物への慢性毒性を有する化学物質 ・製造・輸入の許可(事実上禁止)
・特定の用途以外での使用の禁止
・政令指定製品の輸入禁止
・回収など措置命令(物質・製品の指定時、法令違反時)
第二種特定化学物質
(トリクロロエチレンなど23物質)
難分解性であり、長期毒性又は生活環境動植物への慢性毒性を有する化学物質 ・製造・輸入の予定/実績数量、用途などの届出
・リスクの観点から必要に応じて、製造・輸入予定数量などの変更命令
・取扱いに係る技術上の指針の公表・勧告
・表示の義務・遵守勧告
第一種監視化学物質
(シクロドデカンなど35物質) 
難分解性を有しかつ高蓄積性があると判明した既存化学物質 ・製造・輸入実績数量、用途などの届出
・合計1トン以上について物質の名称、届出数量の公表
・指導・助言(環境汚染防止のため必要な場合)
・リスクの観点から必要に応じて有害性(人又は高次捕食動物への長期毒性)調査の指示
第二種監視化学物質
(クロロホルムなど876物質)
高蓄積性は有さないが、難分解性であり、長期毒性の疑いのある化学物質 ・製造・輸入実績数量、用途などの届出
・合計100トン以上について物質の名称、届出数量の公表
・リスクの観点から必要に応じて有害性(人への長期毒性) 調査の指示
第三種監視化学物質
(ノニルフェノールなど61物質)
難分解性があり、動植物一般への毒性(生態毒性)の有る化学物質 ・製造・輸入実績数量、用途などの届出
・合計100トン以上について物質の名称、届出数量の公表
・リスクの観点から必要に応じて有害性(生活環境動植物への慢性毒性)調査の指示
化学物質排出把握管理促進法

化学物質排出把握管理促進法は、化学物質の環境リスクを、行政だけでなく事業者や市民など社会全体で低減させるために、1992年地球サミットで採択された「アジェンダ21」や1996年のOECD勧告を受けて制定されました。

化学物質排出把握管理促進法の目的(総則より)

化学物質排出把握管理促進法の内容

化学物質排出把握管理促進法は、「PRTR制度」と「MSDS制度」の2つに分けられます。

 

① 第2章 第一種指定化学物質の排出量などの把握など(PRTR制度)

化学物質の環境への排出量、廃棄物に含まれて事業所外に移動する量(移動量)を、
事業者の報告や推計に基づいて行政庁が把握し、集計し、公表する制度
事業者は自社の化学物質の排出量などを把握し、国が集計し公表する排出量データなどとの比較から、自社排出量が国内、地域内、業界内で占める割合などを確認することができるようになり、管理活動の必要性や進捗状況が明らかになります。
対象化学物質 ・ 第一種指定化学物質(354 物質:そのうち発がん性がある12物質は特に「特定第一種指定化学物質」として指定)
・ 第一種指定化学物質を1質量%(特定第一種は0.1質量%)以上含有する製品(化学薬品、染料、塗料、溶剤など)
対象事業者 ・ 対象業種として政令で指定している23種類の業種に属する事業を営んでいる事業者
・ 常時使用する従業員の数が21人以上の事業者 ・ 第一種指定化学物質の年間取扱量が1トン(特定第一種指定化学物質は0.5トン)以上の事業所を有する事業者など、または特別要件施設を設置している事業者

 

② 第3章 指定化学物質など取扱事業者による情報の提供など(MSDS制度)

対象化学物質又は対象化学物質を含有する製品を他の事業者に譲渡又は提供する際に、
その化学物質の性状及び取扱いに関する情報(化学物質など安全データシート:MSDS)を
事前に提供する制度
事業者は、 MSDS の交付を受け、化学物質の性状や取扱いについての知識を高めることができます。
対象化学物質 ・「第一種指定化学物質」( 354 物質)及び「第二種指定化学物質」( 81 物質)の計 435 物質が対象。
・第一種及び第二種指定化学物質を1質量%(特定第一種は 0.1 質量%)以上含有する製品(化学薬品、染料、塗料、溶剤など)
対象事業者 ・対象化学物質又は対象製品について他の事業者に譲渡又は提供するすべての事業者
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